獣ノ噺

2017/10/28(土)発行 今夜は『三人の獣』のおはなしをしましょう。  それは世界で一番強く、一番弱いヒトたちのおはなしです。  彼らは『獣』と呼ばれていましたが、大抵はヒトの姿形をしていたので『人』と数えられていました。  さて、彼らの種族について少し前置きをしておきましょう。  彼らは俗に『使い魔』と呼ばれている存在です。  『主人』と呼ばれるヒトと『契約』しなければ、本当のチカラを発揮できないヒトのことで、誰かに仕えることを前提として産まれてくる一族です。大抵の場合、男も女もなく、またどちらの姿をとることもできると云われています。  彼らがどこで産まれるかはわかっていません。  みんな、主人に呼び出されたその瞬間からしか記憶がないからです。時代により、人の手によって造り出されるということもあったようですが、詳細は記録されていません。  しかし、今夜おはなしする『三人の獣』は自らの出自を断片的に覚えていました。  彼らは特別な『獣』なのです。 web再録済み https://www.pixiv.net/novel/series/1360939

獣ノ噺
2017/10/28(土)発行 今夜は『三人の獣』のおはなしをしましょう。  それは世界で一番強く、一番弱いヒトたちのおはなしです。  彼らは『獣』と呼ばれていましたが、大抵はヒトの姿形をしていたので『人』と数えられていました。  さて、彼らの種族について少し前置きをしておきましょう。  彼らは俗に『使い魔』と呼ばれている存在です。  『主人』と呼ばれるヒトと『契約』しなければ、本当のチカラを発揮できないヒトのことで、誰かに仕えることを前提として産まれてくる一族です。大抵の場合、男も女もなく、またどちらの姿をとることもできると云われています。  彼らがどこで産まれるかはわかっていません。  みんな、主人に呼び出されたその瞬間からしか記憶がないからです。時代により、人の手によって造り出されるということもあったようですが、詳細は記録されていません。  しかし、今夜おはなしする『三人の獣』は自らの出自を断片的に覚えていました。  彼らは特別な『獣』なのです。 web再録済み https://www.pixiv.net/novel/series/1360939